関東整備局相武国道/八王子南BPの工事が最盛期、館第二トンネルでは頁岩と苦闘

2024年9月4日 行政・団体 [5面]

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 関東地方整備局相武国道事務所が整備を進める八王子南バイパス(BP)の工事が最盛期を迎えている。ヤマ場となる館第二トンネルの施工は、硬い頁岩(けつがん)に苦闘しながらも着実に開削の深さを増しつつある。館地区の東にある寺田地区でも高架部の上部工架設が始まるなど、集中的に工事を進めている第3工区で徐々に道路の形が見えてきた。
 八王子南BPは国道20号のうち東京都八王子市中心部を避け、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)高尾山IC(八王子市北野町)から八王子市南浅川町の国道16号までを結ぶ9・6キロのBP。このうち第3工区は町田街道との接続点(館町)から都道八王子城山線までの2・5キロの区間。西側は開削トンネルで、切り土区間を挟んで東端部が高架部となっている。
 難関となっているのが館第二トンネルだ。工事開始後、掘削予定区域から想定を超える硬い頁岩が見つかった。住宅街のため発破などが使えない。頁岩は名前の通り本のように特定の方向から簡単に割れるものの、別の方向からの力には強く破砕にどうしても時間がかかる。爪のようなアタッチメントを付けたバックホウで根気よく岩を剥がし、テレスコープ型アームとクラムシェルバケットで地上から砕いた岩をかき出して搬出する。
 開削方式でボックスカルバート(幅20・3~21・25メートル、高さ7・75~11・15メートル)を敷設して埋め戻す。この間、地表面には覆工板を敷き詰め一般交通と作業スペースを確保する手順だ。施工区間のうち東側の一部に谷筋があるため、側面に連続地中壁(TRD工法)を施工して止水壁としている。トンネルのうち東側265・5メートルを鹿島、西側168・5メートルを戸田建設が担当している。
 寺田地区の高架橋工事も始まっている。近く交差する一般道の一部を通行止めにし、夜間の桁架設を行う。年内に24回、夜間通行止めを実施。上部工の架設が本格化する。