CCUS技能者スマホアプリ、「建キャリ」11月末提供開始/資格者証携行の代替検討

2024年9月5日 行政・団体 [1面]

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 建設キャリアアップシステム(CCUS)運営主体の建設業振興基金(振興基金、谷脇暁理事長)は、CCUS登録技能者向けのスマートフォンアプリ「建キャリ」を11月末に提供開始すると発表した。技能者本人が就業履歴や保有資格などを手元のスマホで確認可能になる。将来的には建設業退職金共済(建退共)掛け金の積み立て状況も確認可能とし、スマホ画面で表示することで紙の資格者証が携行不要となるよう対応する見通しだ。
 振興基金は昨夏からスマホアプリの実証実験を進めており、7月に機能を確定させ正式リリースを決めた。10月ごろからプロモーションを展開し、リリース後の12月にはインストール促進のキャンペーンを予定する。アプリはホーム画面でCCUSに登録した基本情報を確認できる。就業履歴は25カ月分を詳細に表示。保有資格などの有効期限を知らせるアラート機能などを付与し、ユーザーの使い勝手を高める。レベルアップや資格取得の意識向上にも役立てる。
 「CCUS応援団」と呼ぶ民間事業者らがCCUS登録技能者・事業者向けに提供する特典サービスなども情報発信する。特定のターゲット別などで「お知らせ・メッセージ」を送信する機能も設ける。
 将来的な機能の拡張も想定。CCUSカードと同じ情報をアプリに保持させ、現場に置いたカードリーダーへのタッチなどをスマホで代替できるよう検討している。
 国土交通省が7月に策定した「CCUS利用拡大に向けた3か年計画」では、段階的にアプリの利用価値を高める方向性を示す。25年度には建退共掛金の積み立て状況と退職金の見込み額を確認可能にする。
 労働安全衛生法で義務付けられている資格者証の携行をアプリによる表示で代替可能とすることも検討中。25年度以降の対応を見込む。紙の資格者証を何種類も携行する必要がなくなり、技能者にとっては大きなメリットになる。