東京・中央区/築地川アメニティ整備構想、10月にも首都高速会社と基本協定

2024年9月5日 工事・計画 [4面]

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 東京・中央区は4日、首都高速道路都心環状線築地川区間の上部空間を活用する「築地川アメニティ整備構想」の具体的な内容を公表した。同区間を屋根のような「覆蓋化構造物」で覆い、上部をにぎわい空間として活用する。構造物の面積は約6100平方メートルの規模。歩行者通路も三つ設け、延長は計約170メートルの規模になる。区は10月にも首都高速道路会社との間で、基本協定と施行協定を結ぶ。区が負担する工事費は約58・5億円と見積もる。
 4日開催の区議会環境建設委員会に報告した。計画は同社に委託して進めていた概略設計を踏まえて決めた。施行協定では整備費用・維持管理費用の負担区分や、事業スケジュールなどを定める予定。同社は協定締結後、構造物の基本計画・基本設計の作成に着手する。
 同区間は南北に通る築地川の川床に整備された道路。区は北端の三吉橋から南端の新尾張橋までの約1キロを対象に、上部空間の活用を目指している。ただ南半分の区間は首都高の大規模更新などと連携して進める予定で、今回は北半分を先行させる。
 先行エリアには北から順に三吉橋、亀井橋、祝橋、万年橋の4橋が架かる。亀井橋と祝橋は既存の覆蓋化構造物とつながっており、構造物の上には亀井橋公園と祝橋公園がある。
 今後は両公園を支える覆蓋化構造物を撤去し、新たな構造物で覆う。亀井橋とつながる構造物は面積約2800平方メートルで計画。既存の亀井橋公園は約1・6倍の広さに広がる。新たな祝橋公園は約3300平方メートルの規模とし、既存公園の約2・4倍の広さになる。
 このほか首都高の上空には、三吉橋と亀井橋公園、亀井橋と祝橋公園、祝橋と銀座公園を結ぶ三つの歩行者通路を架ける。延長はそれぞれ50メートル、40メートル、80メートル。
 覆蓋化構造物の両端は首都高の擁壁で支え、中央分離帯の上には「中壁」も設ける。歩行者通路を通す区間では擁壁を更新。上部が平たい形の擁壁に置き換えて、上部に通路を配置する。