神奈川県横須賀市/新港地区新規ふ頭利活用調査結果公表、商業・物流施設誘致など

2024年9月5日 工事・計画 [5面]

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 神奈川県横須賀市は2日、「横須賀港新港地区新規ふ頭利活用調査業務委託」の報告書を公表した。埋め立てで新規に整備する事業用地約20ヘクタールの利活用方法を検討する。調査報告では商業施設や物流施設の誘致など4案を提示している。市は調査結果などを踏まえ、引き続き事業者からのヒアリングや調査・検討を進める考えだ。
 市は産業用地の不足や港湾施設のスペック不足などから、新規ふ頭(横須賀港新港地区第2突堤)の埋め立てを検討している。新港ふ頭は平成町3の沖に設置予定で面積は20ヘクタール規模を想定。事業用地としての売却予定面積はA~Dの4区画で計約5ヘクタール程度。竣工は令和10年代(2028~37年)を見込んでいる。
 報告書では土地利用で4案を提示。1案は商業施設3区画と物流施設1区画、2案は商業施設と物流施設が各2区画、3案はすべて商業施設、4案はすべて物流施設。想定する商業施設には飲食施設、娯楽施設を含んでいる。
 民間企業を対象としたアンケートやヒアリングなどの実施結果も踏まえ、経済波及効果や社会的効果などを比較したところ、1案と2案が望ましいとする結果となった。製造施設や研究施設は現時点で将来のニーズが読みづらいこと、宿泊施設には否定的な見方が強かったことなどから導入候補機能から外している。調査業務は日本開発構想研究所が担当した。
 市は6月に「横須賀港港湾計画」を改定した。計画期間は24年からおおむね15年間を想定している。貨物量の増加や船舶の大型化を見据え、ふ頭の再整備や耐震機能の強化、港湾施設の老朽化対策などを盛り込んでいる。概算事業費は約501億円、うち新港地区の新たなふ頭整備に約347億円を見込んでいる。