男女間の賃金格差が、若い女性の地方からの流出につながっている可能性がある－－。２日に政府が開いた「女性の職業生活における活躍推進プロジェクトチーム」で、厚生労働省がこのような分析結果を報告した▼未婚者の男女比率は地域によってばらつきがあり、その不均衡具合と男女間賃金格差の間に、緩やかな相関関係が見られるそう。女性が活躍しやすい環境形成が、地域経済の持続性を高める上でも重要と指摘した▼女性リーダーは増加傾向にある。帝国データバンクの８月発表の調査では、女性管理職（課長相当職以上）の割合が平均１０・９％で、初めて１割を超えた。業界別の最多は小売業の１９・４％。女性従業員が比較的多いことも影響していそうだ▼７・２％の建設業は業界別で最低だった。「多様な人材のいない組織には優秀な人材が集まらない」。ダイバーシティーの講演会で、ジャーナリストの浜田敬子氏がこう指摘していた▼同質性が高い組織は過去の成功体験を踏襲しがちで、外部環境の変化に気づきにくいとも。多様性を高めるのは容易ではない。だからこそ前を向き変革し続けることが求められる。