美術協会/高松宮殿下記念世界文化賞を発表、建築部門は坂茂氏に

2024年9月11日 行政・団体 [1面]

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 日本美術協会(総裁・常陸宮さま)は10日、高松宮殿下記念世界文化賞の第35回受賞者を発表した。建築部門は世界的に活躍する建築家の坂茂氏を選出した。授賞式典は11月19日にオークラ東京(東京都港区)で行う。受賞者には顕彰メダルと感謝状、賞金1500万円が贈られる。同20日には受賞記念建築講演会が鹿島KIビル(同)で開かれる。
 坂氏は、革新的デザインで建築に新たな地平を切り開いてきた。国連教育科学文化機関(ユネスコ)から世界で最も美しい美術館に選ばれた下瀬美術館(広島県大竹市)など多彩な作品で世界を魅了している。2014年に「建築界のノーベル賞」といわれるプリツカー賞に輝いた。
 独自の素材や構造を創り出したいとの思いから紙管の建築を開発。ルワンダの難民シェルターや阪神・淡路大震災の仮設住宅など国内外で利用が広がる。人道支援活動により、マザー・テレサ社会正義賞も受賞した。
 10日に都内で開かれた記者会見で坂氏は「(受賞は)信じられない。災害支援活動を30年以上続けている。建築に責任があることを認識しながら続けていきたい」と意欲を示した。