清水建設/高面積フロア建築物の天井工事を効率化、電動台車で自由にステージ足場移設

2024年9月11日 技術・商品 [3面]

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 清水建設は、建築物の天井設備や内装工事に用いるステージ足場を任意方向にけん引する電動台車「ステージ足場移動台車」を開発した。最大で積載資材を含め重量3トン、床面積100平方メートル規模の大きなステージ足場をそのまま移設する。施工フロア内に足場を敷き詰める必要がなくなり、段階的に足場を移し替えていく従来作業の手間が軽減。足場資材の使用量も抑制できる。施工フロアが重層する同社施工の超高層ビル現場を念頭に、フロア面積が広い建築物の天井工事を効率化する。
 ステージ足場移動台車は、ナブテスコの協力を得て製作した。4輪のメカナムホイールを装備したバッテリー式の電動台車になる。車輪にはナブテスコ製のメカナムホイール(全方向車輪)を採用。車体の向きを固定したまま前後、左右、斜め方向と自在に走行する。
 ステージ足場との連結には車体上面に設けた単管ベースを利用し、ステージ中央の脚部に固定した単管を単管ベースに差し込みねじ留めする。足場の重量に応じたカウンターウエートを車体に積載し走行準備が整う。移動操作には無線式コントローラーを採用するため、操作者がステージ上からも操縦できる。
 清水建設によると、一般的に建築物の天井工事では複数の移動式室内足場をユニット化したステージ足場上で作業を進める。ステージ面積を拡張すれば作業効率が高まる一方、使用する足場資材の数量が増え搬出入や組み立て・解体など実作業以外のハンドリングも煩雑になる。特に施工フロアが重層する超高層建築物では足場資材のフロア間移送にも膨大な手間がかかるため、現場運営の課題となっていた。そこでステージ足場の効率的な運用を実現するためのツールとしてステージ足場移動台車を開発した。