大阪・関西万博/「いのちを響き合わせる」パビリオン発表、大林組のアプリで共鳴体験

2024年9月11日 論説・コラム [3面]

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 2025年日本国際博覧会協会(十倉雅和会長)は10日、東京都内で会見を開き、大阪・関西万博で宮田裕章慶応大学医学部教授がテーマ事業プロデューサーを手掛けるシグネチャーパビリオン「Better Co-Being」の概要を明かした=写真。テーマは「いのちを響き合わせる」。宮田氏は「技術の本質を『共鳴』であると捉え、人と人、人と世界、人と未来の三つに対する問いを共有させる」と説いた。
 パビリオンは境界や屋根、壁がなく、万博会場中央にある静けさの森と一体となるのが特徴。アートを軸にした体験を通じて、持続可能な未来の調和について考えてもらう。設計は建築ユニット「SANAA」(妹島和世氏、西沢立衛氏)、施工は大林組が手掛ける。
 来場者は、パビリオン内で新たな気付きを提供するアプリケーション「Better Co-Beingアプリ」(開発・大林組)、振動で会場内を誘導する「ふしぎな石ころ『echorb(エコーブ)』」(同・村田製作所)を使い▽人と人との共鳴▽人と世界の共鳴▽人と未来の共鳴-の三つの共鳴体験ができる。
 echorbは触覚や力の感覚を通じて情報を伝える「3Dハプティクス(3D触力覚技術)」を搭載し、振動などで来場者を案内する。同アプリは万博期間を通じて来場者の体験をアーカイブ化。カメラをかざすと言語が浮かび上がり、他者との感じ方の違いや多様な価値観に気付ける仕組みとなっている。
 宮田氏は「ここで体験したことが一期一会になる。未来のつながりの中でどう新しい価値を作るのかということが非常に大事になってくる。時代の転換点の中で共に未来を考えられる内容になっている」と語った。