池袋駅西口再開発(東京都豊島区)/都市計画決定に向け最終段階、都の都計審で可決

2024年9月12日 工事・計画 [4面]

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 東京都豊島区の池袋駅西口地区で進む再開発事業の都市計画決定に向けた行政手続きが最終段階に入った。東京都は10日に開いた都市計画審議会で、都市再生特別地区に位置付ける「池袋駅西口地区」の都市計画変更案を審議し、可決した。一部を除き組合施行で総延べ58万2700平方メートルのビルを建てる。今後、首相が議長を務める国家戦略特別区域諮問会議で認定を受ければ、都市計画が決定する。同諮問会議は早ければ12月にも開かれる見通し。
 都市計画変更案は国家戦略特別区域法に基づき、内閣府の国家戦略特別区域会議が付議した。計画地は西池袋1、3で、敷地面積は3万3430平方メートル。A~Dの4街区に分け、事務所や商業・宿泊機能などを持つ複数のビルを建てる。D街区には公園が位置する。
 A街区は2043年度、B街区は40年度、C街区は34年度の工事完了を予定している。既存解体を含む全体工期は27~43年度。容積率は▽A街区=2040%▽B街区=1200%▽C街区=1600%-に設定。建物高さの限度は▽A街区=220メートル▽B街区=270メートル▽C街区=185メートル-と定めた。
 B街区の一部が東武鉄道による個人施行で、残る部分は組合施行。準備組合には事業協力者として三菱地所などが参画している。
 都計審では、都市高速鉄道第4号(東京メトロ丸ノ内線)、同8号(同有楽町線)、同13号(同副都心線)の3路線の計画変更も審議し可決した。池袋駅西口地区の再開発区域と路線が重なるため、区域内の立体的な範囲を設定する。
 豊島区は6日に都市計画審議会を開き、国家戦略特別区域会議が付議した地区計画変更案などを審議し、可決した。高際みゆき区長は5日の定例会見で「(駅から人がでない)『駅袋』を脱却するとともに、ウオーカブルなまちづくりを進めたい」と話した。