早稲田大学/早稲田キャンパスE棟新築工事(東京都新宿区)が起工、新たな知の拠点に

2024年9月13日 行事 [4面]

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 ◇施工は戸田建設、設計は山下設計
 早稲田大学は12日、東京都新宿区の早稲田キャンパス内で「早稲田キャンパスE棟(仮称)新築工事」の起工式を開いた。創立150周年を迎える2032年を見据え、新たな知の拠点としてE棟を新築する。建物は延べ約3・3万平方メートルの規模で計画。設計は山下設計、施工は戸田建設が担当している。27年4月の竣工、同9月の供用を目指す。
 起工式には早稲田大の田中愛治総長ら関係者が出席した。神事では山下設計の藤田秀夫社長が鎌入れ、田中総長が鍬入れ、戸田建設の大谷清介社長が鋤入れに臨んだ。玉串をささげ、工事の無事完成を祈願した。
 田中総長は「創立150周年を見据え、新たな知の拠点としてさらに良い教育研究機関を目指していく」とコメント。藤田社長は「建築コストの上昇という過去に例をみない状況下での計画だったが、無事今日の日を迎えられ、関係者に感謝の意を表したい」と語った。大谷社長は「無事故・無災害で最先端の教育研究施設を納めることを誓う」と表明した。
 早稲田キャンパスの所在地は西早稲田1の6の1、20の1(敷地面積7万3655平方メートル)。E棟の計画地は早稲田キャンパスの南西に位置し、早稲田通りを挟んで戸山キャンパスへとつながる接点となる。
 新築するE棟はS一部SRC・RC・W造地下2階地上16階建て延べ3万3364平方メートルの規模。高層棟と低層棟の二つで構成する。高層棟は早稲田キャンパスの歴史的景観を継承した素材や色調を採用。低層棟は段状にセットバック、緑の丘のような外観を創出する。
 高層棟の北側と東側は広場を整備する。低層棟の各所にも緑を配し、新たなパブリックスペース「早稲田の森」と位置付ける。建物には山下設計がE棟への採用を前提に開発した「木質系耐震パネル」も導入。S造を主構造とする建物を木質化でき、耐震性の確保と木材利用の両立を図る。環境面にも配慮し、キャンパス内の建物で初となるZEB Readyの認証取得を目指す。
 □相澤勇一所長(戸田建設)の話□
 「今回は早稲田キャンパスの中での工事となる。近隣住民の生活環境への影響を極力抑えることと、学生のキャンパス活動が途絶えたり、支障が出たりしないように注意することが一番の課題だ。現場内では全工期無事故・無災害を達成するために、妥協なく安全管理を行っていきたい」。