合材製造のCO2排出量23年度は6・0%減、製造量減少が主因/日合協

2024年9月17日 行政・団体 [1面]

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 日本アスファルト合材協会(日合協、今泉保彦会長)の調査によると、2023年度のアスファルト合材製造による二酸化炭素(CO2)排出量は前年度比6・0%減の121万4700トンだった。20年度から3年連続で低下。CO2排出量は製造量とほぼ比例し、製造量の減少に伴い排出量も減っている。各工場では低炭素化に向け、製造温度を下げてCO2排出量を抑える「アスファルト(AS)フォームド装置」を設置する動きが広がっている。
 日合協が会員以外の工場を含む23年度の「アスファルト合材統計年報」と同時に調査した。調査は全国の1020工場(うち日合協会員880工場)が対象。973工場が回答した。回収率は95・4%。
 過去10年のCO2排出量を見ると、13年度の178万2000トンをピークに減少。15~20年度は140万トン台で推移し、21年度に130万トン台、22年度には120万トン台にまで減少している。ただ排出量の減少は、合材製造量の減少が主因。23年度の製造量は前年度比6・3%減の3636万トンと過去最低を更新した。減少は3年連続。製造量は8000万トンを超えた1992年度をピークに減少を続けており、23年度は2年連続で4000万トンを下回った。
 各工場でのCO2排出量削減に向けた取り組みの実施状況を見ると、アスファルトに微量の水や水蒸気を添加して発泡させるASフォームド装置が181基と前年度から65基増えた。通常よりも低温でアスファルト合材を製造する装置で、製造した合材は「中温化アスファルト合材」「低炭素アスファルト」などと呼ばれる。製造時の加熱温度を30度程度下げることでCO2排出量を削減できる。
 ASフォームド装置の設置数を地域別に見ると関東が63基で最も多く、2番目に多い東北(32基)やその次の九州(19基)を大きく引き離す。東京都では22年度に発注工事で中温化合材を通常の合材と同様に使えるようにしており、これが関東での増加に影響していると見られる。
 このほかの取り組みでは、CO2排出量の少ない燃料として「都市ガスへの切り替え」が前年度比8基増の89基だった。