奈良県/奈良養護学校を総合医療センター跡地に移転、25年度から基本計画検討

2024年9月17日 工事・計画 [8面]

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 奈良県教育委員会は建物や設備の老朽化が進んでいる県立奈良養護学校(奈良市七条町)を、県総合医療センター跡地(奈良市平松1)に移転することを決めた。肢体不自由児に加え、新たに知的障害児を受け入れる。同跡地には奈良看護大学校(三郷町三室1)が移転を予定しているほか、奈良市も地域ふれあい会館などの整備を検討している。本年度は各施設の配置を検討し、2025年度から基本計画を策定する。具体的な施設規模やスケジュールは基本計画の中で固める。
 奈良養護学校では肢体不自由教育と病弱教育が行われ、児童・生徒計約120人が在籍する。校地面積は約1万8560平方メートル。校舎の面積は約4670平方メートル、体育館は約600平方メートルあり、1981年に竣工した。16年に耐震改修を実施した。
 築43年が経過して老朽化が進み、壁面の亀裂や雨漏りなどが発生。給食施設は手狭になっている。現状では大型化する車いすや支援機器に対応する設備の改修ができず抜本的な対策が必要になっている。このため、県と奈良市が23年12月に移転する方針を示していた。七条町地区には市が新たなごみ処理場の建設を計画している。
 移転先の総合医療センター跡地は約4・6ヘクタール。知的障害児を受け入れている県立奈良東養護学校(奈良市七条)と県立奈良西養護学校(同市帝塚山西)では約180人、約240人がそれぞれ在籍しており、移転後の養護学校に児童と生徒を受け入れることで奈良市内の知的障害教育の学校を3校にする。新設する校舎には120人が通学できるようにする。
 25年度以降に基本計画を固め、設計と建設工事に取り掛かる。移転の時期は未定。
 現在、県病院マネジメント課が「奈良県総合医療センター跡地(奈良市平松地区)活用検討支援業務」の委託先を選定する一般競争入札を手続き中。19日まで参加申請を受け付け、10月に開札する。養護学校や看護大学校、市の施設を含めた同跡地の土地利用計画を検討する。