近畿整備局ら/北近畿豊岡道・豊岡道路2キロが開通、災害時拠点へのアクセス向上期待

2024年9月25日 行事 [13面]

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 兵庫県北部の但馬地域と丹波地域を結ぶ北近畿豊岡自動車道(延長73キロ)のうち、但馬空港IC~豊岡出石IC間(豊岡市、2・0キロ)が23日開通した。災害時の拠点となる公立豊岡病院へのアクセス向上や観光振興などが期待される。同日午後4時に供用を開始した。今回の開通で北近畿豊岡道未開通区間は2023年12月に起工式を行った豊岡出石IC~(仮称)豊岡北JCT・IC間(豊岡市、5・1キロ)を残すだけとなった。
 近畿地方整備局と兵庫県、豊岡市の共催による豊岡道路の開通式が戸牧(とべら)トンネル内で開かれ、国や県、地元自治体の関係者、国会議員、県会議員ら約210人が出席した。同日は豊岡出石ICに接続する県道も開通した。
 冒頭、長谷川朋弘近畿整備局長が「地域の期待に応えられるよう北近畿豊岡自動車道の一日も早い全線開通を目指し引き続き事業を推進する」との山本巧国土交通省道路局長の式辞を代読。服部洋平兵庫県副知事は「災害に強い高規格道路のネットワーク化は広域防災の観点から重要だ。災害時に豊岡市街、豊岡病院へのアクセスが確保され、地域の防災機能が大きく向上する」と開通を祝った。
 関貫久仁郎豊岡市長は「命の道がさらに拡充する。地域住民の安全・安心が高まる」と喜んだ。
 谷公一衆院議員や末松信介参院議員、足立敏之参院議員らによるあいさつに続き、施工会社を代表して株本建設工業の田中万晶さんが「今後も地域社会に貢献できるインフラ整備に長く携わっていきたい」と決意を述べた。
 この後テープカットとくす玉開披、通り初めで開通を祝った。
 豊岡道路は16年度に事業化。17年度から用地取得を進め、18年度に工事着手した。戸牧トンネル(602メートル)や佐野トンネル(189メートル)のほか、上佐野橋(46メートル)や上佐野高架橋(176メートル)などを整備し、全体の6割近くを構造物で占める。総事業費は約256億円。工事着手から約6年で開通した。
 北近畿豊岡道で最後の区間は豊岡道路(II期)。20年度に事業化し、用地買収や調査設計、工事を進めている。開通時期は未定。豊岡北JCTと接続する山陰近畿自動車道の城崎道路(7・4キロ)は権限代行事業となり、設計作業を進めている。