東京都/都市計画道路のさらなる構築へ、次期方針の検討着手

2024年9月26日 工事・計画 [4面]

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 東京都は都市計画道路のさらなる構築に向け、新たな整備方針の検討に着手する。現在は2016年3月に策定した整備方針に基づき道路を建設している。現行方針の期間は25年度まで。このため都は新たな方針を検討し、26年度以降の道路ネットワーク形成などの方向性を示す考えだ。
 25日に開いた都議会定例会で谷崎馨一東京都技監が明らかにした。検討に当たっては区市町との連携を強調。その上で「社会経済情勢の変化や、道路に対するニーズの多様化を踏まえながら検討を進める」と述べた。
 都の都市計画道路に関する整備方針は、これまでおおむね10年ごとに更新。優先的に整備すべき路線を選定し、計画的、効率的に都市計画道路を造ってきた。
 現在推進中の「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」では、「都市活力の強化」や「都市防災の強化」「安全で快適な都市空間の創出」「都市環境の向上」を基本目標に設定。基本目標をベースに事業の継続性、実現性などを踏まえ320路線、延長226キロの優先整備路線を選んだ。
 都市計画道路の23年度末の整備率は65・1%。社会経済活動のほか、物流ニーズの多様化、余暇活動などによる人々の交流を支えるためには円滑に通行できる道路ネットワークの形成が不可欠だ。加えて、首都直下地震や集中豪雨による土砂災害など、大規模災害時に救助活動や緊急物資輸送をスムーズに行うためにも道路は重要なインフラになる。都は新たな整備方針を策定し、快適で安全な都市の実現を目指す。