鹿島/スマート床版更新システムを1車線規制の実工事に初導入、必要期間を70%短縮

2024年9月27日 技術・商品 [3面]

文字サイズ

 鹿島は道路橋の床版取り換え工事に伴う交通規制を大幅に短縮できる「SDRシステム」を、幅員方向を分割する現場に初めて導入した。既設床版の撤去から新設床版の架設まで一連の作業にかかる期間は、標準的な工法で21日間だが、同システムでは6日間で完了。床版取り換えに必要な期間を約70%短縮した。
 同システムは床版取り換えの▽既存床版の撤去▽主桁ケレン▽高さ調整▽新設床版の架設-の4工程を、それぞれの専門班が各エリアで同時並行で行う。2019年と22年に行った実証実験では作業時間が標準的な工法と比べ、全断面取り換えで83%、幅員方向分割取り換えで90%短縮できることを確認。各専門班が単一の工程を担当することで作業分担が明確になり、集中して作業を行えるため、安全に工事を進めることもできる。
 導入した「広島自動車道(特定更新等)伴高架橋(上り線)他1橋床版取替工事」(西日本高速道路会社発注)では、5、6月の1期工事で追い越し車線側122・1メートルの床版を取り換えた。標準的な工法で21日間(1日当たり3枚)かかっていた一連の作業が、6日間(1日当たり平均10枚、最大20枚)で済み、床版取り換え期間を約70%短縮した。
 9月から2期工事として走行車線の幅員方向の分割床版取り換えを実施予定。鹿島は1期工事で得た知見を生かし、安定した期間短縮効果が得られるよう同システムの改良を重ねる。