不動協/25年度税制改正要望を決定、住宅ローン減税特例の延長など力点

2024年9月27日 行政・団体 [2面]

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 不動産協会(吉田淳一理事長)は26日に東京都内で理事会を開き、2025年度税制改正要望を決定した。子育て・若年世帯を対象とした住宅ローン減税の特例や、市街地再開発事業の権利床に対する固定資産税の特例などは、近く迎える期限の延長を要望。新規項目では、まちづくりや施設整備でDX・GXを推進する取り組みや、老朽マンションの再生を促進する税制支援措置の創設を求める。
 理事会後の記者懇談会で吉田理事長はDXやGX、防災、国際競争力強化といった課題を列挙。一方で「急激かつ大幅な建築費の高騰が、そうした取り組みに支障をきたし、国民生活にも大きな影響を及ぼしかねない」と指摘した。要望事項はこうした環境を踏まえて決め、「実現に向けて諸団体と連携し、積極的に要望活動を進める」と強調した。
 子育て世帯や若年夫婦世帯が新築住宅を取得する場合、借入限度額や床面積要件に緩和措置があるが、24年末に期限を迎える。25年末までの延長を求める。再開発に関しては、従前権利者が権利床の固定資産税を軽減される特例があり、24年度末とされている期限の延長を訴える。
 新規項目として、まちづくりを通じてDX・GXに貢献したり、既存ストックの環境性能を高めたりする取り組みへの税制支援を要請。CLT(直交集成板)をはじめとする木材利用への税制優遇も要望に盛り込んだ。要望書は木造密集地域の解消や旧耐震建物の建て替え、老朽マンションの再生など、既存ストック対策の重要性にも言及。取り組みを促進する新しい仕組みの導入や、税制支援の創設を求めている。
 与党は今後税制調査会の議論を経て、年内にも税制改正大綱を決定する見通し。不動協は経団連や日本商工会議所など関係団体と連携し、関係機関への要望活動を展開する。