東京・葛飾区/新金貨物線旅客化は連節バスが有力、概算事業費や事業スキーム検討へ

2024年9月30日 工事・計画 [4面]

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 東京・葛飾区はJR新金貨物線の線路用地にBRT(バス高速輸送システム)のような「連節車両」を新たに導入し、南北を結ぶ公共交通として機能させる方針だ。道路運送法や道路法に基づく交通システムにする方向で検討しており、事業化すれば専用道や高架、乗降施設などの整備が伴う。今後区は施設計画を詰め、概算事業費の算出や事業スキームの検討に取り組む。
 検討状況は27日開催の区議会都市基盤整備特別委員会に報告された。新金貨物線はJR新小岩駅から同金町駅まで、区内を南北に貫く。区は同線の複線化用地の活用を見込み、約7・1キロを対象に新たな公共交通の導入を検討している。
 次世代型路面電車(LRT)の整備も視野に入れたが、国道6号との交差や事業費の増大がネックとなり、バス専用道を有力とした。
 バス専用道にも全線を専用道にする形と、専用道と一般道を組み合わせる形の2パターンがあり得る。全線を専用道にすると、金町駅や高砂踏切の周辺で高架化が必要。国道6号は平面交差で横切る。一般道を組み合わせれば高架の整備は不要だが、定時性に課題が生まれる。いずれのパターンでも車両の転回には、既存の駅前広場を活用する。
 大半の区間は貨物線の複線化用地を通る。乗降施設は車両がすれ違えるよう複線構造にし、両方向にホームを配置する方向。施設延長は20メートル程度、ホーム幅は2メートル程度を見込む。
 電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)を導入して環境負荷を抑える。車両や乗降施設には、まちのシンボルになるようなデザインを採用する。