大阪府建築審査会/クラフトビール工場建築計画同意へ、施設整備に弾み

2024年9月30日 工事・計画 [12面]

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 クラフトビールを醸造・販売するヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)が大阪府泉佐野市のりんくうタウンで手掛けるビール工場兼見学施設「大阪ブルワリー(仮称)」の建築計画が、24日に開かれた大阪府建築審査会で審議され、同意の方向となった。建設事業費を賄うため募集中のふるさと納税型クラウドファンディングの寄付額も既に目標額を大きく上回る30億円超まで積み上がっており、今後の施設整備に弾みが付きそうだ。
 計画地は府が泉佐野市に30年間の定期借地として貸し付けた敷地8256平方メートル(りんくう往来北1ほか)。近隣商業地域で建ぺいが率80%、容積率が300%。施設規模はS造2階建て延べ2025平方メートル。ビールの試飲や工場見学も楽しめる観光型エンターテインメント施設となる。
 年間約900キロリットルのビール製造を予定し、飲食・物販スペースから大きなガラス越しに醸造室を眺められるようにする。外観は自然に囲まれたデザインを取り入れ、屋外でもビールを楽しむことができるスペースを備える。
 2021年度に市から誘致提案を受けたヤッホーブルーイングが事業化した。2月から実施設計を進めており、11~12月に建設地の障害物撤去工事に着手し、26年中の開業を目指す。設計・施工は前田建設が担当。
 ふるさと納税型クラウドファンディングは泉佐野市が実施しており、寄付額の4割を事業者に交付する。
 審査会ではクラフトビール工場を近隣商業地域に建設することに関して、地域住民への影響や環境負荷の有無などを審議。同工場が観光拠点やにぎわいを創出する施設として公益性の高い役割を果たすことが強調されるとともに、騒音や臭気、振動などの環境面での影響が少ないと報告された。出荷に伴うトラックの往来は1日平均1、2台程度と、周辺の交通への影響も軽微であることが確認された。