大阪市港区/市岡商業高跡に商業施設やホテルなど誘致、対話調査で提案募る

2024年10月2日 工事・計画 [12面]

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 大阪市港区は、2012年3月に閉鎖された市岡商業高校(弁天1)の跡地に商業施設やホテルなどの誘致を検討している。同校跡地はJRと地下鉄の弁天町駅に近く、開発が進むベイエリアへの玄関口になるエリアに位置しており、地域のにぎわいにつながる集客施設の立地を目指す。土地は事業者に貸し付ける。区はマーケットサウンディング(対話型市場調査)を行い、実現可能な事業アイデアや参画意向を把握した上で、公募条件などを検討する方針だ。
 対象地は弁天町駅から徒歩5分に位置し、面積は1万9408平方メートル。第1種住居地域で容積率は300%、建ぺい率は80%。校舎やクラブ室など延べ約1万0700平方メートルの施設が残っている。跡地の東側には商業施設や温浴施設、ホテル、事務所、マンションなどを備えた大型複合施設が立地する。
 区が4月に策定した「弁天町駅周辺まちづくりビジョン」では、大阪市の「西(ニシ)の玄関口」にふさわしい質の高い都市空間を形成し、にぎわいが広がる街づくりを展開する。同校跡地は「国際拠点ベイエリアとの連携強化」「地域交流拠点の形成強化」を促進するエリアに位置付け、商業機能の充実に加え、来街者や地域をつなぐ交流機能を高める。
 市場調査の対象者は、跡地の利活用を実行する意向がある法人または法人のグループ。商業施設やホテルのほか、インバウンドや外国人居住者の増加を見込んだ多文化共生・交流のための施設の提案を求める。広場や歩行者通路は敷地の2割以上を確保し、子育て世代が魅力を感じる空間を整備することが条件。住居は設けられるが、集客拠点との複合施設になる提案とする。
 地域住民からの要望を踏まえ、西側校門付近の既存樹林を生かした提案を求める。
 参加者からは全体の開発コンセプトや配置計画、歩行者動線、広場の規模と維持管理の考え方、商業施設やホテルの規模、周辺の鉄道駅や商業施設の連携、開発スケジュール、賃貸借期間・賃料などで提案を受ける。
 賃貸借期間は10年以上50年未満を基本とし、住居を設ける場合は50~70年程度も可能とする。活用案の実現に必要な規制緩和や条件も提案できる。既存の建物は事業者に解体撤去してもらう。
 参加申請書と提案概要は11月21日まで受け付け、12月9日に提案書の提出を締め切る。対話は同10~23日に実施し、25年1月中旬ごろに提案結果の概要を公表する予定だ。