回転窓/ファーム球場の進化

2024年10月2日 論説・コラム [1面]

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 2024年プロ野球は読売ジャイアンツと福岡ソフトバンクホークスがリーグ優勝した。クライマックスシリーズや日本シリーズでも熱戦が期待される▼優勝の原動力となったのが若手の活躍であろう。両チームともここ一番で勝負強さを発揮するベテランや中堅のスター選手らと、成長著しい若手がうまく融合した▼2軍(ファーム)の若手選手らが日々鍛錬する球場には、ほぼ全球団が寮を併設する。選手たちはオフの期間以外、野球漬けの日々を過ごす▼2軍といえば古くて狭い球場も多かったが、それを変えたのが16年に開設されたホークスの「タマホームスタジアム筑後」(福岡県筑後市)。最寄りの新幹線駅前に二つの球場や室内練習場、寮などが並ぶ。IT業界をけん引する企業の球団とあって、最先端の映像・動作解析技術やデータも駆使して育成・強化に努めている▼新しいファーム球場を建設または計画中の球団は少なくない。来年3月に阪神タイガースは脱炭素、ジャイアンツは水族館(27年開業)との一体化などが売りの新球場をそれぞれオープンさせる。令和版「虎の穴」から次代のスターが誕生していく。