日鉄興和不ら/MFLP・LOGIFRONT東京板橋竣工、施工は日鉄エンジJV

2024年10月3日 工事・計画 [4面]

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 日鉄興和不動産と三井不動産が東京都板橋区で建設していた「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」が竣工した。2日に現地で竣工式を開催。両社の幹部のほか坂本健板橋区長も出席し、無事竣工を祝った。施設は延べ25・6万平方メートルの規模。設計を日鉄エンジニアリング、施工は日鉄エンジニアリング・佐藤工業JVが手掛けた。=1面参照
 建設地は舟渡4の3の1(敷地面積9万1255平方メートル)。荒川と新河岸川に挟まれている。建物はS造6階建て延べ25万6157平方メートルの規模。ドローン関連産業の育成拠点や区の防災拠点、緑地エリアなども備え、物流の効率化や災害対策の強化、オープンスペースの確保といったさまざまな社会課題に応える。
 竣工式で日鉄興和不の加藤由純執行役員兼企業不動産開発本部副本部長は「防災拠点の整備による安全安心な地域づくりと、憩いの場の整備という、日常と非日常の両面で地域に貢献できるフェーズフリーな開発を行うことにした」と説明。三井不の篠塚寛之執行役員兼ロジスティクス本部長は「エリア全体の価値が上がり、プロジェクトの価値も上がるいい循環が生まれるよう、管理運営もしっかり対応していきたい」と力を込めた。
 坂本区長は「広場や緑道やが区民に愛され、地区の発展にさらなる貢献を果たすと期待している」と話した。
 物流施設は免震装置や非常用発電機などを備え、大規模災害時のBCP(事業継続計画)に配慮。太陽光パネルも敷設し、年間の1次エネルギー消費量を実質ゼロにしてZEB認証を取得した。
 「板橋ドローンフィールド」を施設内に開設した。ドローン関連企業が入居し、ドローンに関する研究開発や人材育成の拠点として利用する。全自動運用を可能にする次世代型ドローンポートや、GPS(衛星利用測位システム)に依存せず建物内などでの飛行を可能にする技術を実証。物流施設自体を使い、ドローンで外壁などを点検する技術の実験にも取り組む。
 施設内には「板橋区災害時配送ステーション」も設けた。区の防災備蓄品を保管し、区内への配送や、区外からの搬入の拠点として機能する。敷地内には約2・5ヘクタールの緑地エリアも開設。隣接する区立公園と一体で、区民の憩いの場として活用してもらう。