内閣官房/GX2040ビジョン策定会議、産業立地政策の判断要素にクリーンエネ重視

2024年10月4日 行政・団体 [2面]

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 内閣官房は3日、GXの新しい国家戦略「GX2040ビジョン」の策定に関する専門家会議を開いた。政府はエネルギーや産業立地政策の新たな論点に、クリーンエネルギーの存在を産業立地の重要な判断要素にすることや、投資を促す対象を企業群・産業群として捉えていくことを挙げた。セメントなどGX推進戦略に基づいた分野別の投資戦略の状況も報告した。
 論点のうちクリーンエネルギーを巡っては、供給側、需要側の産業間で立地上のギャップがある。そこで需給ギャップの現状を踏まえ、クリーンエネルギーの存在を重視した産業立地政策を検討していくことにした。
 投資を加速させる対象は、AIの進展や欧米の脱炭素の動向など企業にとって不確実性が高まり、政府が特定の産業や技術を「勝ち筋」に特定する難度が上がっていると判断。対象先を企業群や産業群と捉えながら、クリーンエネルギー関係やサプライチェーン(供給網)の高度化に対する支援を検討していく。政府支援の対象には海外企業の誘致を考慮する必要があるとした。「直接的なインセンティブ」を講じることで、クリーンエネルギーが豊富な地域の投資をさらに加速する必要があるとの考えも示した。
 投資戦略の状況のうち、セメント分野は焼成工程や石炭火力燃料を廃棄物やバイオマスに転換する投資に対し、支援を求める企業の募集を続けている。製造プロセスから二酸化炭素(CO2)を回収する技術の研究開発も実施中。
 浮体式などの洋上風力は、排他的経済水域(EEZ)への導入を拡大するため、再エネ海域利用法改正案の早期成立を目指すことになっている。