東京都/2カ所の調節池を24年度内に稼働、下高井戸と下谷橋

2024年10月4日 工事・計画 [4面]

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 東京都は2024年度内に杉並区にある下高井戸調節池と東久留米市の下谷橋調節池の稼働を始める。貯留量は二つ合わせて3万9500立方メートル。多発する豪雨による河川の洪水を抑え、沿岸の水害を防ぐ。今後、下高井戸調節池は排水や換気工事を行う。下谷橋調節池は目標の貯留量をためられるよう、本体の掘削工事を進める。
 下高井戸調節池の所在地は杉並区下高井戸2で、神田川の水を取り込む。貯留量約3万立方メートル。地下に設置した箱型の貯留施設と越流堤で構成する「地下箱式」を採用した。上部空間は区立の多目的スポーツコートとして利用する。本体工事は大成建設・徳倉建設JVが担当した。
 豪雨などにより河川の水位が上がり、越流堤を超えると、貯留施設に水が流れ込む。調節池より下流で1時間当たり50ミリ降雨への対応が可能になる。調節池完了後は上流に向かって河床掘削を行い、洪水させずに流れる水の量を増やす。1時間当たり75ミリ降雨に対応する。
 現在推進中の排水設備工事は新明和工業、換気設備工事はパール工業が担当。監視制御は横河ソリューションサービス、電気工事は三光設備が手掛けている。
 下谷橋調節池は東久留市大門町2、浅間町2に位置し、荒川水系の1級河川・落合川の洪水を取り込む。貯留空間と越流堤で構成する「掘込式」の施設。調節部には屋根など覆蓋施設がない。1時間当たり最大50ミリの降雨に対応する。
 貯留量は9500立方メートルを計画している。目標貯留量に達していないことから、調節池の本体工事を中心に、外構工事も行う。工事は2期に分けて実施。1期はりんかい日産建設が行った。2期は今村組が担当している。