静岡県沼津市/貨物駅跡地利用基本計画案、多目的広場など整備・仮設住宅地にも活用

2024年10月8日 工事・計画 [9面]

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 静岡県沼津市は、鉄道高架事業に合わせて進める貨物駅跡地利用の基本計画案をまとめた。平時・有事にフレキシブルに利用される防災・コミュニティーの地域拠点をコンセプトに、多目的広場や屋内子ども広場、飲食・物販・体験施設などを整備。防災用ベンチや耐震性貯水槽なども導入する。多目的広場は発災直後は避難地、応急活動期は部隊や物資の拠点、応急復旧期は仮設住宅スペースとするなど時間軸で役割を変える。パブリックコメントを経て本年度内に基本計画を策定する。
 計画では、多目的広場は約9000平方メートル以上とし、半径500メートル区域内の人口(約4500人)相当を受け入れる広さを確保する。屋内子ども広場は、子どもが雨天や猛暑でも安全に遊ぶことができる全天候型の屋内施設(約700平方メートル)。公園利用者向けのサービス向上とにぎわい創出のため、約120平方メートルの飲食・物販・体験施設も整備する。子どもが遊ぶ姿を見ながら休憩でき、他の室内空間とも相互利用しやすくするため、屋内子ども広場と管理事務所(約110平方メートル)と合築して配置することを検討する。
 周辺住民の避難地として利用するため、トイレやかまどなどの防災機能を備えたベンチやマンホールトイレを設置。耐震性貯水槽も導入する。南西側住宅地との境界には防火樹林帯の導入も検討する。他地域からも訪れやすい公園とするため120台程度を収容する駐車場を整備し、災害時は車中避難所としての利用も想定する。周辺には電気自動車(EV)充電スタンドなどの電源設備も検討する。整備場所は現貨物駅(東間門)の移転跡地。
 2024年度に基本計画を策定し、25~27年度に整備手法や管理・運営手法の検討などを進める。同地区は浸水や液状化も想定されるため、公園整備では盛り土や地盤改良などを行うことも検討する。28年度以降に用地買収や公園整備などを進め、31年度末の一部供用を目指す。