太平洋マテリアル/床コンクリ用膨張材の一般販売本格化、冬季仕上げ時間3割減

2024年10月9日 技術・商品 [3面]

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 太平洋マテリアル(東京都北区、岡村隆吉社長)は、冬季の床コンクリートの仕上げ時間を約3割削減する初期反応促進型膨張材「太平洋NーEX neo」の一般販売を本格化する。コンクリートの凝結時間を低温環境下でも短縮できる。ひび割れ低減やブリーディング(浮き水)抑制といった効果が見込めるため、コンクリート表面品質の向上が期待できるという。
 同製品は、石灰系早強性膨張材にセメントの初期反応促進機能を付与した新型の膨張材で、特に打設空間5~15度の環境で効果を発揮する。コンクリートに投入することで早期強度発現や耐久性向上にもつながる。日本建築総合試験所の建設材料技術性能証明も取得している。
 2022年に大和ハウス工業と共同開発し、一般販売に向け同社の現場で実施工を通じてデータを収集を進めてきた。気候や温度条件の異なる6現場で検証を行い、長期耐久性が良好であることを確認した。総打設時間や技能者の使用感、費用対効果なども調査。現場アンケートでは「通常であれば深夜に及ぶ作業を回避できた」「深夜作業がなくなったことで周辺対策・環境対策が低減された」といった回答が寄せられた。
 床コンクリートの施工は、コンクリートの硬化に合わせて仕上げていく。大型空間を有する施設などでは作業が深夜まで及ぶケースもある。特に冬季はコンクリートの初期強度発現まで時間を要するため、4月から建設業に時間外労働の上限規制が適用された中で、生産性の向上が求められていた。
 太平洋マテリアルの亀岡篤雄混和材営業部副部長は、「生産性向上と品質向上につながる点をさらにPRしていきたい」と話す。