大和ハウス工業/事業施設の民間投資は好調、24年度売上高1・3兆円見込む

2024年10月11日 企業・経営 [4面]

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 大和ハウス工業は10日、工場や物流施設といった「事業施設」の開発戦略を発表した。コロナ後のオフィス回帰の流れや、円安に伴う製造業の国内回帰に伴い、いずれも民間投資は好調に推移。工事費の高騰や担い手不足といった課題には、既存建物を買い取ってリニューアルすることで工事の負担を小さく済ませる「BIZ Liveness」事業を拡大して対応する。建築事業本部の2024年度売上高は1兆3400億円を見込む。
 同日東京都千代田区の本社で記者説明会を開いた。同本部はデベロッパーとしての施設開発や、ゼネコンとしての建設請負、物流施設の管理・運営などを担当。フジタや大和ハウスプロパティマネジメントといったグループ会社の事業も統括している。
 同本部とグループ会社を合わせ、23年度には売り上げ1兆2944億円を達成した。第7次中期経営計画(22~26年度)は26年度に売上高1兆3000億円を目指していたが、24年度には1兆3400億円に達して目標を上回る見通し。同年度の営業利益は1415億円(営業利益率10・6%)を目指す。今後は選別受注や提案型営業などを強化し、26年度には営業利益率を12・3%に高める。
 大和ハウス工業は自ら工業団地の開発を推進。昨今は製造業の国内回帰に伴い、企業進出の話が増えているという。保育所を併設するなど従業員の働きやすさに配慮した工場や、脱炭素型の工場などを提案し、建築工事の受注増につなげる。
 物流施設は「DPL」シリーズで開発を進め、今後は冷凍冷蔵倉庫にも力を注ぐ。埼玉県宮代町で9月着工した「DPL久喜宮代II」は、冷凍・冷蔵・常温の3温度帯に対応したオーダーメード型物流施設(BTS)。イオン子会社のイオンネクスト(千葉市美浜区)の利用が決まっている。
 データセンター(DC)は「DPDC印西パーク」(千葉県印西市)などに建設中の物件があり、計画中も含めると「20棟くらいのプロジェクトが進行している」(更科雅俊執行役員兼建築事業本部長)という。