2024提言特集/人材マネジメントの潮流

2024年10月15日 特集

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 企業の持続的成長に向け、人材戦略の重要性が一段と増している。働き手の価値観が多様化し、人材マネジメントの在り方も見直しが不可欠。業務プロセスの変革を含め、組織としてどう対応するかが問われている。
 2024年4月から時間外労働の上限規制が建設業にも適用され、法令順守が迫られる各社は労働力の維持・拡充と働き方改革の推進に取り組む。少子高齢化、人口減少といった社会的問題に加え、DXなどデジタル化による変化の波への対応も急務だ。
 本特集では「人材マネジメントの潮流」と題し、「働き方改革」「担い手の確保・育成」「イノベーション(生産性向上・省力化)」の観点から建設産業が抱える課題や最新の取り組みにスポットを当てつつ、今後の方向性を探っている。
 休暇取得や長時間勤務の是正については、建設関連各社の実態・実情をアンケート結果から分析。建設分野のさまざまな職場や現場が抱える問題・課題を踏まえ、各社が展開する重点施策などを整理した。
 ものづくり産業の根幹である人材の確保・育成では、雇用流動化などの労働政策を踏まえ、リクルートや離職防止など人材戦略の最新動向を追う。女性活躍の推進や外国人材の活用拡大、建設技能者の処遇改善・地位向上など、建設産業界の人的資本の価値を高める取り組みを紹介。労働力の需給ギャップの是正につながる生産性の向上では、先進技術の導入事例や国の関連政策などを展望する。
 人材獲得競争が激しさを増す中、従来の雇用慣行を見直し、建設分野の仕事に従事する人たちがやりがいを持ち、生き生きと働き続けられる環境整備が急がれる。