成田空港会社/ANA専用の延べ6・1万平米貨物ビルが完成、施工は前田建設

2024年10月17日 工事・計画 [5面]

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 成田国際空港会社が同空港貨物地区に建設していた全日本空輸(ANA)専用の第8貨物ビルが完成した。S造2階建て延べ約6・1万平方メートル規模となる。隣接する第7上屋を含むエリアに空港内6カ所に分散している同社の上屋を集約。同エリアを「ANA Cargo Base+」と銘打って、同社貨物事業の新拠点にする。設計は梓設計が、施工は前田建設が担当した。21日に供用を始める。
 第8貨物ビルの所在地は千葉県成田市駒井野広田936。貨物上屋の面積は約3・8万平方メートルを占める。隣接する第7上屋と合わせると約4・8万平方メートルとなり、年間の取扱貨物量が従来比25%増の50万トンに拡大した。医薬品専用庫(732平方メートル)と温度管理庫(912平方メートル)の2種類の保冷庫も新設した。高効率空調や太陽光発電システムを採用し、環境にも配慮。ZEB Orientedの認証を取得している。
 貨物運搬の効率化と安全性も高める。輸出オペレーションを自動化するため、AGV(無人搬送車)60台を国内航空会社として初めて本格導入した。輸入上屋ではAGF(無人搬送フォークリフト)も5台導入。自動高層ラックと合わせ、搬入出作業を自動化。労働力不足に対応する。
 16日、ANA主催のオープン式典が現地で開かれた。井上慎一社長ら40人以上が出席。テープカットで第8貨物ビルの完成を祝った=写真。冒頭、井上社長は「念願の供用開始となる。大変喜ばしく心の底からワクワクしている。新たな物流の未来を築いていきたい」と展望を話した。来賓の秋田未樹国土交通省航空局航空ネットワーク部長や小泉一成成田市長らが祝辞を述べた後、田村明比古成田空港会社社長は「空港にとっても一大物流拠点としての機能をさらに強化していくものと確信している」と期待を語った。