回転窓/今こそ下支えの時期

2024年10月25日 論説・コラム [1面]

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 帝国データバンクが生鮮食料品や光熱費などの全国平均価格を踏まえて指数化した「カレーライス物価」を発表している。生鮮食品などの値上げによる食卓への影響を調べるもの。10日に発表した8月調査では5カ月連続で最高値を更新し348円となった▼物価高は企業業績にも暗い影を落とす。同社がまとめた2024年度上半期(4~9月期)の倒産件数は、前年同期比18・6%増の4990件。このうち物価高倒産は472件で過去最多を大幅に更新した▼大規模開発で計画やスケジュールを見直す動きが出るなど民間開発にも影響が出ている。新設住宅着工の減速などの懸念も。建設需要の下支えが必要な時期に入ってきた▼インフラを取り巻く状況を見ると、まずは相次ぐ自然災害への対応が欠かせない。自動運転を見据えたインフラの高度化などやるべきことが山積み▼かつて景気悪化時に建設需要が落ち込み、他産業に人が流れていった。あの時に人をつなぎ留めていたら建設業の担い手の状況は違っていただろう。27日に衆院選が投開票される。やるべきことを実行する政治へ主権者たる国民が導いていきたい。