ジョンソンコントロールズ/DC向けワンストップサービス強化、日本独自の商流に照準

2024年10月28日 技術・商品 [3面]

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 ジョンソンコントロールズがデータセンター(DC)向けサービスを強化している。社会の急速なデジタル化に伴う整備需要の急拡大を受け、2023年10月にデータセンターソリューション事業部を新設。受注窓口を一本化し、設備設計・施工の技術者を集約して全社体制で対応する。「テクノロジーコントラクティング」と呼ぶ受注形態を強みに、DCの立案から保守運用まで事業全般を支えるワンストップサービスを展開していく。
 DC事業では▽システム設計やコスト見積もりなどコンサルティング▽詳細設計や技術評価▽建設▽システムの試運転や調整▽定期点検やアップグレード-などを一貫して提供。吉田勝彦執行役員データセンターソリューション事業部長はワンストップサービスに加え、国内の建設商流と分離発注が一般的な海外の事業者の発注形態の双方に精通していることが当社の強みと強調する。
 その上で「世界水準の先進テクノロジー」(吉田氏)と自負する省人化や省エネ化のソリューションを打ち出す。主力製品のビル設備統合監視システム「Metasys」(メタシス)シリーズや、「YORK」ブランドの空調用各種チラー、24時間遠隔監視サービスなどの組み合わせを提案。同社のDC新築受注高は23年度までの10年間で約10倍伸びており、さらなる需要の取り込みを図る。
 DCは大型化とサーバーをより多く格納する高密度化が進み、エネルギー消費の効率化や機器類の廃熱対策、事故に備えた冗長性の確保がより重要になっている。標準的な耐用年数は20~30年程度。日本ではITバブル期の00年代に造られた施設が老朽化し手狭になりつつある。
 同社によるとDCは通常、将来の拡張を見越した規模を確保するが、近年は官民のDX推進によるクラウドサービスの利用拡大などで「建設時の予想をはるかに超える早さ」(担当者)で需要が増大。今後5年間はDC市場の拡大が続くと見込んでいる。