14日に開業した「長崎スタジアムシティ」(長崎市)内で、戸田建設が計画や導入などをコンサルティングしたロボットの運用が始まった。サッカースタジアム上空を滑走するジップラインのハーネスや関連資材を運搬するロボットを導入。施設全体でロボットを活用しこれまでの人的作業をロボットが代替することで、人件費の削減や人手不足の解消を目指す。ロボットフレンドリーな環境構築の実現に向けたコンサル事業の第1号案件となる。
ロボット導入は、経済産業省の「令和6年度革新的ロボット研究開発等基盤構築事業(ロボットフレンドリーな環境構築支援事業)」の一環。ジャパネットグループのリージョナルクリエーション長崎(長崎市、岩下英樹社長)と戸田建設が採択を受けた。
長崎スタジアムシティは、リージョナルクリエーション長崎が運営し、サッカースタジアムやアリーナ、ホテル、商業施設、オフィスで構成する大型複合施設。ジップラインは、オフィス棟の屋上から、商業棟の屋上を結ぶ。ロボットはゴール地点で取り外すハーネスなど滑走器具を再びスタート地点まで運搬するほか、関連する資材、小物類などの備品運搬も担う。
運搬にはロボットメーカーのZMP(東京都文京区、谷口恒社長)製の配送ロボット「DeliRo Truck(デリロ トラック)」を導入。ジップラインに必要なハーネスなどを載せ、商業棟とオフィス棟を結ぶ片道約380メートルのコンコース間を自動運転で搬送する。
戸田建設はコンサルティングの立場でデリロ トラックのカスタマイズ提案、搬送経路や運用の計画、安全対策などに取り組んだ。デリロ トラックの導入により、人手不足の解消や施設のエンターテインメント性の向上を期待する。
同社は今後、清掃や配達など長崎スタジアムシティのロボット活用に関連したさまざまな実装・実証実験を行う予定だ。ロボット導入のコンサル活動を積極的に行い、国内のロボット普及率の向上に貢献する。