北九州市は、大規模改修を計画する九州鉄道記念館(門司区清滝)について、RO(改修・運営)方式のPFIの導入に周辺の余剰地活用や観光施設の管理などを組み合わせた三つの事業スキームを検討している。11月に国土交通省が行う官民連携事業の推進のための地方ブロックプラットフォームに参加し、民間事業者の意見や提案を聞くサウンディング(対話)型市場調査を実施。2025年度にも事業の方向性を示したい考えだ。
九州鉄道記念館は、18年度から屋根修繕や空調設備の更新などの大規模改修を検討していたが記念館単体では事業規模が小さく、関心を示す事業者がいない状況が続いている。事業費は大規模改修約3億円、リニューアル事業約2億円を見込む。
市は記念館の指定管理期間が25年度末となっていることから、26年度の大規模改修・リニューアル工事、27年度のリニューアルオープンを予定している。維持管理・運営期間は15年を想定している。
三つの事業スキームは、RO方式に▽事業用定期借地権による周辺余剰地の活用▽門司港レトロ地区にある9施設の指定管理業務▽JR九州旧本社ビル(門司港西海岸)の賃借による活用-のいずれかを組み合わせる。
余剰地活用の候補地は、レトロ中央広場(東港町、敷地面積5281平方メートル)、新浜11、12上屋跡地(同、4446平方メートル)、市営九州鉄道記念館西駐車場(清滝、4900平方メートル)。中央広場と上屋跡地は商業施設やホテルなどの誘致を想定。駐車場敷地は1400平方メートルを駐車場として活用している。
9施設の指定管理業務は、現在の指定管理料が約3億5000万円となっている。
旧本社ビルは建物SRC造地下1階地上6階延べ5635平方メートルの外観保存を条件に、建物を賃借か売却、土地を定期借地権契約で貸し出す。建物はホテルとしての活用を想定している。
対話調査では、事業参画を検討するために必要な事項や、RO方式による事業化が困難な場合のその他の活用提案などを求める。