千葉県の房総半島と神奈川県の三浦半島を結ぶ東京湾口道路の実現に向け、房総地域東京湾口道路建設促進期成同盟会が立ち上がった。会長に就任した高橋恭市富津市長は「皆さまの思いを一つにすることで、先人たちが夢見た東京湾口道路の建設も実現可能であると強く思っている」と期待を語った。道路の早期建設を求め、2025年1月をめどに国や千葉県などに対し要望活動を実施する。
29日、同期成同盟会が千葉県木更津市のかずさアカデミアホールで設立総会を開いた=写真。正会員の房総地域13市町をはじめ、地域経済団体が参加。設立を全会一致で決議した。
東京湾口道路は、東京湾口部分の浦賀水道を横断し、千葉県富津市~神奈川県横須賀市を結ぶ延長約17キロの道路として構想されている。高橋会長は「災害発生時、東京湾アクアラインなどの代替路線を確保することの重要性が高まっている。構想具体化に向けた国などに一層強い働き掛けが必要だ」と期成同盟会設立の趣意を説明した。
高橋会長は千葉県の地理的な特徴である半島性の解消につながることも強調。「房総半島と三浦半島、その周辺地域とのスムーズな移動が可能になる」と広範囲の地域活性化を展望した。「東京湾環状道路の一翼を担う。東京圏への過度の集中緩和策としても大いに期待できる」との見通しも語った。
設立総会では24年度事業計画案、予算案なども審議、承認した。事業計画によると、同年度は東京湾口道路に関する情報収集や調査、研究を進める。「道路整備促進期成同盟会千葉県連合協議会」への加入や、事業実施や期成同盟会の円滑な運営を図るための各会議を開催する。
正会員は▽富津市▽鴨川市▽いすみ市▽館山市▽茂原市▽勝浦市▽袖ケ浦市▽鋸南町▽御宿町▽木更津市▽君津市▽南房総市▽大多喜町-の13市町。
同期成同盟会の前身となる「協議会」は1994年に当時の房総地域22市町村で設立した。08年に閣議決定された国土形成計画の内容を踏まえ、14年度以降は要望活動だけを継続していた。