JR東日本/高輪ゲートウェイシティー(東京都港区)25年春開業、技術革新をけん引

2024年10月31日 工事・計画 [4面]

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 JR東日本が東京都港区で建設している「高輪ゲートウェイシティー」が2025年3月27日にまちびらきを迎える。開発ではスタートアップ(SU)など先進的な企業が、まち全体を使って技術開発や実証実験に取り組める環境を整備。「100年先の心豊かな暮らしのための実験場」をコンセプトに、幅広い分野の技術革新をリードし、日本経済をけん引するようなまちを目指す。=1面参照
 30日に東京都内で発表会を開いた。同社の喜勢陽一社長は「さまざまな共創パートナーが持つアイデアやサービス、知を掛け合わせ、よりよい未来に資するソリューションを生み出し、実証実験で磨き上げ、日本各地、世界中に発信していく新たなイノベーションの発信の場にしていきたい」と意気込んだ。
 計画地は港南2ほか(敷地面積約7・4万平方メートル)。JR山手線高輪ゲートウェイ駅の西側に位置する南北に細長い敷地となる。北から順に▽住宅棟▽文化創造棟▽複合棟(THE LINKPILLAR2)▽同(同1)-が並ぶ。
 THE LINKPILLAR1は2棟構成のため、全体は5棟。25年4月に開業するのはTHE LINKPILLAR1で、残る施設は26年春の開業を目指す。
 SUの育成拠点には100社以上のSUと、東京大学などの研究機関が連携して事業創出に取り組める環境を整備。最大50億円規模のファンドも立ち上げ、技術の社会実装を資金面でも後押しする。
 具体的な実証技術はロボット・ドローンによる配送や、次世代モビリティ、水素利用などを想定。まち全体を実験場にして知見を蓄え、国内外への水平展開を目指す。
 THE LINKPILLAR1にはオフィスのほか、2000人規模のMICE(大規模なイベント)施設、商業施設「NEWoMan(ニューマン)高輪」などが入る予定。同駅は新たな商業店舗や新改札が稼働して全面開業を迎える。