札幌市は10月30日、2024年度の除雪事業実施計画を公表した。道路除雪費と雪対策関係費を合わせた当初予算分の除雪費は、前年度当初比5・4%増の275億6400万円。「雪堆積場等車両集計システム」の構築などICTを活用した取り組みを進めるとともに、東部融雪槽の整備工事に着手する。
同日の市議会建設委員会に報告した。24年度当初除雪費は、労務単価の上昇やロードヒーティングなどの燃料費高騰、車両集計システムなどICT活用の経費計上などで前年度より増額となった。
除雪費のうち道路除雪費は223億9900万円(前年度当初比2・8%増)。このうち車道除雪は37億2200万円(3・9%減)で5461キロ(5キロ増)、歩道除雪は8億7200万円(7・8%増)で3048キロ(増減なし)、運搬排雪は76億1700万円(0・8%減)で幹線道路などが1398キロ(4キロ増)、見通し改善のための交差点排雪が1万6255カ所(増減なし)などを計画している。
主な取り組みを見ると、バス路線の除排雪を強化するとともに、生活道路の除排雪では、白石、西、手稲の3区4地域、23・8キロで新たな作業方法の検証のため試験施工を行う。雪堆積場は82カ所(増減なし)、最大搬入可能量2678万立方メートル(1万立方メートル増)を確保し、RF(電波個体識別)タグを活用して搬入車両を自動で集計する雪堆積場等車両集計システムの導入を進める。
雪対策関係費には51億6400万円(18・4%増)を計上。内訳は雪対策施設整備費が9億2100万円(25・3%増)、持続可能な雪対策推進費が11億7100万円(30・4%増)、ロードヒーティングに16億4300万円(23・3%増)などを見込む。
主な取り組みでは、ダンプトラックの運搬距離の縮減や必要台数の低減などのため整備を進めている東部水再生プラザの処理水を利用した東部融雪槽の整備では本年度に工事に着手し、26年度の運用開始を目指す。下水道管を流れる未処理下水を利用した地域密着型雪処理施設の整備についても検討を進める。