全国建設業協会(全建)の今井雅則会長ら幹部は6日、石破茂首相に公共工事の予算確保を要望した。全建は資材価格の高騰などを背景に実質的な公共事業投資額が減少している現状を示し、2024年度補正予算の増額と、前年を上回る25年度当初予算の確保などを訴えた。全建が首相に対して予算確保を要望するのは今回が初。首相就任後の石破氏に要望活動を行った業界団体も全建が初めてという。
同日、今井会長、鳥取県建設業協会の山根敏樹会長らが首相官邸を訪れ、石破首相に要望書を手渡した。要望には佐藤信秋、足立敏之両参院議員が同行した。全建は▽24年度補正予算と25年度当初予算の増額と十分な公共事業費の確保▽国土強靱化実施中期計画の策定と25年度のスタート、事業量の確保▽公共工事設計労務単価の引き上げと現場管理費、一般管理費の引き上げ-の3点を要望書に盛り込んだ。
今井会長は建設業が他産業と比較して賃金が少ない現状を指摘。「魅力ある憧れの産業にしなくてはいけない」とし、持続的な公共事業量の確保や賃上げなどの処遇改善が必要と訴えた。実施中期計画は遅くとも25年度にスタートすることと、現行の5か年加速化対策を大幅に上回る事業量確保を求め、具体的には5年間で25兆円程度との規模感を示した。
石破首相は国土強靱化について「事前防災が必要だ。ハード・ソフト併せて取り組みたい」と応じた。