11日召集の特別国会で自民党の石破茂総裁が第103代首相に指名され、自公連立の第2次石破内閣が発足した。閣僚人事では国土交通相に公明党の中野洋昌元経済産業大臣政務官を起用。建設と物流の2024年問題への対応や、能登半島地震の復旧・復興など課題が山積する中で、国交省出身者としての行政手腕に期待が集まる。
中野氏は京都府出身の46歳。01年に東京大学教養学部を卒業し、国交省に入省。海事局内航課専門官や、土地・建設産業局建設業課入札制度企画指導室課長補佐などを務めた。12年12月の衆院選で初当選し、現在5期目。経産大臣政務官や党の国土交通部会長などを歴任した。
公明党出身の国交相は北側一雄、冬柴鉄三、太田昭宏、石井啓一、赤羽一嘉、前任の斉藤鉄夫の各氏に続き7人目となる。斉藤氏は11日の退任会見で「国交省は生活に直結した幅広い仕事を受け持ち、国民からの期待も大きい。多くの現場で働く職員から信頼されるリーダーになってほしい」とエールを送った。
組閣では、法務相に鈴木馨祐元外務副大臣、農林水産相に江藤拓元農相を起用した。他の閣僚は再任した。首相指名選挙に先立って開催した衆院本会議では、自民党の額賀福志郎氏が議長に再選。副議長には立憲民主党の玄葉光一郎氏が就いた。参院本会議では自民党の関口昌一氏を議長に選出した。
特別国会の会期は14日までの4日間。政府・与党は24年度補正予算案などを審議する臨時国会を12月初旬にも改めて開く。