11日に発足した第2次石破内閣で国土交通相に就任した中野洋昌氏が12日に初登庁し、記者会見を開いた=写真。防災・減災や地方創生を重点分野に挙げ「現場の声に耳を傾け、国交省の総合力を最大限に発揮してしっかりと対応していきたい」と抱負を語った。国交省職員として10年勤務した経験を持ち、所管業務への理解も深い。「さまざまな分野が命と暮らしを守り、地域の経済やなりわいを支えることにも直結する。しっかり気を引き締めて任務を遂行していきたい」と話した。
国交省職員時代は土地・建設産業局建設業課の課長補佐を務めた。建設業との関わりも深く「社会資本整備や維持管理の担い手であり、災害時の安全、安心の確保を担う地域の守り手でもある重要な存在」との認識を示した。業界の課題に担い手の確保を挙げ、処遇改善と働き方改革に力を入れる考えだ。「持続可能な建設業を実現していくため、全力で取り組んでいきたい」と述べた。
政府が月内の決定を目指す経済対策に、現行の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」推進に向けた関連施策を盛り込む考えを示した。5か年加速化対策の後継となる「国土強靱化実施中期計画」の早期策定に向け、検討を「最大限加速していく」とも説明した。
石破茂首相が掲げる「防災庁」の設置構想については、「国交省も防災で非常に重要な役割を担っており、政府全体でしっかりとした防災体制が引き続き必要である」と理解を示した。防災庁設置準備担当相を務める赤沢亮正経済財政・再生担当相と連携しながら、対応していく考えだ。
東京一極集中の是正を目指す石破首相の「地方創生2・0」の推進に意欲を示した。持続可能な観光立国の実現や、二地域居住の拡大に取り組む。交通空白地域の解消に向け、地域公共交通の「リ・デザイン」の全面展開に向けた施策を加速していく考えだ。