大阪市は11日、第75回大阪市港湾審議会を同市役所で開き、此花区の夢洲にIR(統合型リゾート)専用の桟橋を設けることを承認した。関西国際空港や神戸空港などと結ぶ海上アクセスを実現し、IRへの利便性を向上する。2025年度に準備工事などに着手し、30年秋ころの供用を予定する。夢洲の土地利用計画も変更し、交流厚生用地の面積を広げる。
専用桟橋は米国MGMリゾーツ・インターナショナルの日本法人やオリックスが出資する大阪IRの要請に基づき、新たに専用埠頭計画と外郭施設計画に位置付ける。ウオーターフロントを生かした水辺空間を形成するため、土地利用計画も一部変更する。
夢洲周辺にはユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)や海遊館などの大型集客施設もあり、高速船など小型の旅客船が接岸できる係留施設を設置することで水都大阪にふさわしい海上交通ネットワークの構築を目指す。
計画によると、小型桟橋は浮体式で延長約40メートル、幅約10メートル。桟橋と護岸とつなぐ延長約30ヘクタール(幅3メートル)の連絡橋を設置する。外郭施設計画には延長90メートルの防波堤(ジャケット式)を位置付け、桟橋の西側に整備する。桟橋は全長20~30メートルの高速船や連絡船の利用を想定する。
このほか大阪府の要請に基づき、小型桟橋4基を計画する。
護岸背後の交流厚生用地は約5・2ヘクタール拡大する。当初は緑地を予定したが、施設計画の具体化に伴い土地利用計画を変更し、桟橋付近に交流厚生用地を確保する。
審議会では「今回の計画が環境に及ぼす影響は軽微である」とし、原案通り承認した。
今後、国土交通大臣に計画を送付し、年内にも港湾計画の概要を公示する予定。