中野洋昌国土交通相は13日、日刊建設工業新聞など専門紙各社の就任インタビューに応じた。建設分野は「将来的な担い手の確保」を課題に位置付け、処遇改善と働き方改革に取り組む考えを示した。人口減少や資材価格の高騰で、建設だけでなく住宅や不動産も苦境に立たされていると指摘。「現場第一主義」をモットーに「(業界の)声に耳を傾けながら、国土交通行政を全力で進めていきたい」と話した。
災害時の応急対策や平時の社会資本整備を担う建設業の役割に触れ「役割を将来にわたって果たし続けていくために担い手の確保が必要だ」と指摘する。6月に成立した第3次担い手3法を踏まえ「労働費をしっかり確保し、現場まで行き渡るようにする取り組みが必要」と強調した。資材価格高騰による労務費へのしわ寄せを防ぐため、価格転嫁の方策も整える。働き方改革に向けた工期の適正化や、ICT活用など生産性向上策もさらに推し進める考えだ。
2025年度の予算編成に当たっては、能登半島地震や豪雨災害の復旧復興を最優先としつつ、国土強靱化や地方創生といった政策課題に取り組んでいく方針を示した。防災・減災分野では、河川の流域全体で水害を防ぐ「流域治水」の加速やテックフォース(緊急災害対策派遣隊)の機能強化に力を注ぐ。
持続的な経済成長に向け、「24年問題」に直面する建設業や物流業の担い手確保に向けた施策を強化する。働き方改革や生産性向上に「攻めの姿勢」としてインフラの海外展開も推進していく考えを示した。
石破茂首相が重点を置く地方創生にも意欲を見せた。にぎわいあるまちづくりや、安心して暮らせる住まいの確保を推進。交通空白地域の解消に向け、交通ネットワークの再構築に取り組む方針も示した。