小型無人機環境整備官民協議会/ロードマップ原案公表/ドローンレベル4飛行盛り込む

2024年11月19日 行政・団体 [2面]

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 産学官でドローンなどの利活用促進を議論している「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」は15日に会合を開き、「空の産業革命に向けたロードマップ2024」の原案を示した。「環境整備」「技術開発」「社会実装」の3項目を中心に、今後の取り組みや目標を整理。社会実装ではレベル4(有人地帯、補助者なし、目視外飛行)による飛行を含む利活用拡大へ向けた支援策のほか、能登半島地震を踏まえた災害時の活用推進を盛り込んだ。
 原案では3項目ごとに各種施策を整理し、2026年までの各分野での到達目標を示している。このうち社会実装では、離島や山間部でのドローンによる配送事業の実用化や発災直後の迅速な無人での被災状況調査などを目標に掲げ、体制・制度面での整備を急ぐ。
 巡視・点検分野でも▽河川巡視や河川施設点検の手引き案改定▽ダム・砂防施設のドローン巡視点検の実証点検要領の改訂▽SBIR制度(中小企業技術革新制度)を活用した技術開発や技術カタログの充実-などに取り組むほか、測量分野ではICT施工の普及に伴い3D計測技術のさらなる活用促進を図る。
 環境整備に関しては、運行管理システム(UTM)ステップの導入に向けた動きが本格化する。「認定UTMプロバイダ」による同一空域での複数運行者による近接ドローン飛行であるUTMステップ2の本格実装に向け24年度中に要件定義などの検討を進め、25年度の実現を目指す。さらに指定空域全域での運行管理を目指すステップ3実現に向けた検討を進める。
 このほか河川や送電線上空のドローン航路化を目指した制度検討や運航調整省力化のためのガイドライン整備、型式認定ガイドラインの英語化、監査の高度化など多岐にわたる目標を盛り込んだ。