大阪府泉大津、和泉、高石の3市でつくる泉北環境整備施設組合が検討しているごみ処理施設「泉北クリーンセンター」(和泉市舞町)の次期施設について、学識者らによる委員会が候補地はエネオス大阪事業所跡地(高石市)が望ましいとする答申をまとめた。現有地を含めて3カ所を比較した。同跡地は敷地に余裕があり、エネルギーの有効活用や隣接する石油化学コンビナートと連携することで脱炭素化に貢献できる可能性があると評価した。組合は答申を受けて立地検討報告書を作成。12月17日まで意見を募る。
基本構想では、次期施設の規模は日量283トン、粗大・資源ごみ処理施設は61トンを想定。立地場所は北西地域一帯でカーボンニュートラルやリサイクルの推進が可能な地域が望ましいとし、各市からの推薦または公募で候補地を抽出して土地利用や地形・地質、生活環境、合意形成などを総合的に評価して選定するとした。
候補地になったのは現有地(約4・2ヘクタール)と高石市内のエネオス大阪事業所跡地(高砂2、約7ヘクタール)、高砂公園(同3、約4・8ヘクタール)の3カ所。1月5日に組合から立地の諮問を受けた「一般廃棄物処理施設立地検討委員会」が6回の議論で意見を取りまとめた。
評価項目と評価基準、配点は検討委員会が定め、各候補地を比較した。項目は▽浸水・想定震度・液状化▽法令など▽土地取得・合意形成▽インフラ状況・施工性▽経済性(用地取得、運転・維持補修費など)▽エネルギー利活用・脱炭素化▽エネルギー以外の施設利活用-など。
その結果、エネオス大阪事業所跡地は▽法令など▽土地取得・合意形成▽エネルギー利活用・脱炭素化▽エネルギー以外の施設利活用-で他の候補地の得点を上回り、検討委は「次期一般廃棄物処理施設の用地としてより望ましいと考えられる」とした。
特にエネルギー関連の評価が高く、近隣工場での蒸気や温水の利用に加え、メタンガスも有効利用できる可能性があるとした。敷地に余裕があるため、二酸化炭素(CO2)回収装置の設置が可能なことや、隣接する石油コンビナートとの連携による新たな資源循環の可能性も大きいとした。
このほか、新たな機能の付加や施設を増設することで広域化処理の可能性もより現実的に考えられると評価した。
組合では引き続き、将来のごみ量や民間廃棄物処理施設の活用を考慮し、各市の財政状況も踏まえながら適正な用地や施設規模を含めた具体的な施設計画を検討する。2034年度以降の供用を目指す。
立地検討業務はパシフィックコンサルタンツが担当した。