大和ハウス工業/大阪マルビル(大阪市北区)建替概要を発表、25年冬着工

2024年11月20日 工事・計画 [4面]

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 大和ハウス工業は19日、大阪市北区で推進している「(仮称)大阪マルビル建替プロジェクト」の概要を発表した。新たな建物は延べ7・4万平方メートル、高さ192メートルの規模で計画。梅田エリアで最高の建築物の一つになる。旧来の建物の円筒形の意匠を継承しつつ、延べ床面積はおよそ倍に広がる。設計を日建設計・フジタJV、施工はフジタが手掛け、2025年冬の着工、30年の竣工を目指す。
 建物にはオフィスやホテルのほか、コンサートホールや、球体のエンターテインメント施設も設ける予定。大阪駅前に、複合用途の新たなランドマークが誕生する。
 計画地は梅田1の9の20(敷地面積3246平方メートル)。JRなどが乗り入れる大阪駅の南側に近接する。新たな建物は地下SRC一部S一部RC造、地上S造地下4階地上40階建て延べ7万4000平方メートルの規模で計画。9月に地上部の解体が完了した旧大阪マルビル(延べ約4万平方メートル)のおよそ倍の規模になる。
 特徴的なのが地下から低層部までを貫く「球体デジタルアトリウム」だ。球体の内面にLEDディスプレーを張り巡らせ、全面に映像を投映する。球体の空間は大阪駅周辺の地下街ともつながり、新たな結節点としても機能する。
 低層部にはコンサートホール・舞台も設ける。主にクラシックコンサートで利用し、さまざまな演目に対応できる設備を用意する。中層部にはオフィスや都市型ホテルが入り、高層部はラグジュアリーホテルとなる。ホテルは合計約280室。最高層部にはミュージアムや展望スペースも設ける。
 旧大阪マルビルの頂部には回る電光掲示板があり、梅田エリアの風景の一つとして親しまれた。新たな建物でも意匠を継承し、特徴的なスカイラインを形成するよう検討を進めている。
 都市基盤整備の面では、大阪メトロ四つ橋線西梅田駅に接続する地下通路を新設。新たな改札口も設置する。低層部の壁面や外構部は積極的に緑化する。
 旧丸ビルは1976年、日本初の円筒型超高層ビルとして竣工した。建て替えに向け、23年に閉館していた。