群馬労働局(上野康博局長)、関東地方整備局高崎河川国道事務所(杉崎光広所長)、沼田土建(群馬県沼田市、青柳剛社長)は20日、働き方改革を巡って同社で意見交換した=写真。長時間労働の削減に積極的なベストプラクティス企業を訪問する同労働局の取り組みの一環。同社はDX、現場支援、就業環境などを説明した。上野局長は「県内のあらゆる企業の時間短縮につなげたい」と総括した。
ベストプラクティス企業に関し、同労働局が国土交通省関係機関を交えて個別企業と意見交換するのは初めて。沼田土建は青柳社長、武田寛副社長、吉田美由紀企画室室長らが出席。同事務所から受注した工事の現場担当者もウェブで参加した。同社はi-Constructionと地域建設業のDX、現場を支援する女性社員の活躍、時間外労働の削減、就業規則の改定などを紹介した。
DXについて同社は設備投資の負担と、技術として使いこなすまでの苦労を説明し、吉田室長が「ICT施工で足元を固め、最新技術にチャレンジするのが当社の特徴」と話した。外部委託と内製化のポイント、社内全体の技術教育の重要性も話した。
復職した女性社員が3D技術を駆使しながら現場を支援する活躍も紹介し、「すべての人が働きやすい職場環境の整備」の重要性を強調した。武田副社長はフィリピンやバングラデシュを訪問した外国人材確保の取り組みを説明し、「多様な人材活用の効果で働き方改革を進めたい」と意欲を見せた。
青柳社長は単年度工事が多い地域建設業は「不安で新年度がスタートする」と指摘した上で、「時間外労働の上限規制の適用から7カ月。外に向かって(働きやすい)ホワイト宣言できるか戦略的に考えないといけない」と話した。
杉崎所長は上限規制の範囲で若手にやりがいを感じてもらうことなどを話題に挙げ、「自分(ベテラン側)も変わらないといけない」と述べた。上野局長は働き方改革に関し「発注者の理解が重要。公共だけでなく民間の工事でも。私たちの仕事としてやっていかないといけない」と話した。