ひたちなか海浜鉄道(茨城県ひたちなか市、吉田千秋代表取締役)が運行する湊線(勝田~阿字ケ浦、延長約14・3キロ)の延伸事業が大きく前進した。阿字ケ浦駅から先の新駅とを結ぶ延長約1・4キロ(第1工区)の工事施行認可を国から取得した。事業費は59億円余。今後は鉄道事業再構築実施計画の策定を経て、2025年度に用地測量や詳細設計を行う予定。事業期間は29年度まで。
工事の施行認可を受けたのは阿字ケ浦先から北東に位置し、国営ひたち海浜公園南口ゲート付近に建設する「新駅1」との区間。延長は約1・4キロで、3月11日に国へ第1工区の工事施行認可を申請。18日付で取得した。
工事着手に向けては、鉄道会社と地方自治体が経営改善に向けて事業構造の変更や利便性向上に関連した施策を立案する。これが鉄道事業再構築実施計画と呼ばれ、国から補助を受ける条件となる。その後は鉄道施設の整備に必要な用地の測量や詳細設計に移行する。第1工区の事業費は59・23億円。うち鉄道会社が18億円、自治体が41・23億円を負担する。
開業時期は事業着手から5年後を見込んでいる。新駅1よりも先の新駅2(第2工区)は、第1工区の進捗状況に応じて開業時期を決める。第2工区の事業費は67・18億円(鉄道事業者8・12億円、自治体59・06億円)。
総事業費は当初78・35億円だったが、資材価格や労務費の高騰を反映した結果、126・41億円と試算している。
ひたちなか海浜鉄道は、ひたちなか市と茨城交通が出資する第三セクターとして08年4月に発足した。