日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)の調査によると、2023年度の会員企業の女性技術者数は8001人と前年度から402人増加した。技術者全体に占める女性比率は7・9%(前年度比0・3ポイント低下)だった。建設現場では女性が快適に利用できるトイレや更衣室などの環境整備が一段と進んだ。日建連は調査結果を踏まえ、2025年度にスタートする女性活躍に向けた新計画でさらなる女性活躍や、幅広い人材が働きやすい環境整備に取り組む考えだ。
「建設業における女性の活躍推進に関するフォローアップアンケート調査報告」として21日に発表した。調査は23年4月~24年3月に実施し、会員企業140社のうち96社が回答した。
技術者の女性比率は20年度6・5%、21年度6・9%、22年度8・2%、23年度7・9%と堅調に推移。日建連が14年度に策定した女性活躍に関する10カ年目標「もっと女性が活躍できる建設業を目指して 日建連の決意」で定めた目標(10%)に届かなかったものの、女性比率は着実に上昇している。
女性管理職数は前年度比4人減の1727人。一部の会員企業で管理職の算入基準に変更があったため減少した。13年度(623人)と比べ2・8倍になった。
現場の環境整備を見ると、会員企業や協力会社などの女性が利用できるトイレの設置率は78・5%(前年度比6・5ポイント上昇)、更衣室では55・2%(5・9ポイント上昇)といずれも上昇した。
日建連は19年に策定した「けんせつ小町活躍推進計画」(20~24年度)に基づき、定着、活躍、入職の3テーマで女性活躍に取り組んでおり、フォローアップの一環で毎年実態調査を行っている。24年度で計画が終了するのに伴い、25年度に新たな計画が始動。従来の取り組みに加えダイバーシティー・エクイティ&インクルージョンの視点も取り入れ、女性に限らず幅広い属性の人にとって働きやすい建設業の実現を目指す。
国土交通省が24年度内にまとめる女性の入職・定着に関する行動計画との整合性を取り、25年9月ころの新計画公表を予定している。