東京都港区の六本木五丁目西地区市街地再開発準備組合(塚原琢哉理事長)が計画している工事日程が明らかになった。全体工事期間は2025~30年度の約60カ月。七つある街区全てで、1年目に準備工事・既存解体工事に取りかかる。高さ300メートルを超えるA-1街区は15カ月目ころ地下掘削・躯体工事、36カ月目ころ地上躯体工事に着手し、60カ月目ころの工事完了を目指す。
東京都環境影響評価(環境アセス)条例に基づき、評価書を東京都に提出した。六本木ヒルズの東側にある約9・2ヘクタールの区域を再開発し、総延べ108万1960平方メートルの施設群を整備する。
区域は▽A-1▽A-2▽A-3▽B▽C▽D▽E-の7街区に分割。主要施設はA-1街区の事務所棟(地下SRC・RC、地上S造地下1階地上66階建て延べ79万4450平方メートル)や、B街区の高層住宅棟(RC造地下5階地上70階建て延べ23万9050平方メートル)となる。
A-1街区とB街区は、地下躯体の施工を上階から下階へと進める「逆打ち工法」を採用する。地下工事と地上工事が同時に進められ、工期短縮につながる。
A街区の既存解体には1年程度かかる。山留め工事と横真柱工事、地下掘削・躯体工事に42カ月目ころまでを充てる。地下躯体と並行して、36カ月目に地上躯体工事に着手する。
B街区では9カ月目ころまでに既存解体を終え、48カ月目ころまでを地下掘削・躯体工事に充てる。地上躯体工事に着手するのは、A-1街区と同じ36カ月目。
残る街区で大きいのは南住宅棟のE街区(RC造地下3階地上9階建て延べ2万9190平方メートル)。既存解体は9カ月目ころまでに完了し、地下掘削・躯体工事を30カ月目ころまでに終える。その後地上躯体工事に着手し、42カ月目ころの工事完了を見込む。
再開発区域内は積極的に緑化してヒートアイランド対策につなげる。建物にはLow-E複層ガラスや省電力設備を採用して環境負荷を抑える。
準備組合には事業協力者として住友不動産と森ビルが参画している。環境アセス評価書の作成はパシフィックコンサルタンツが手掛けた。