奈良市/文化財センター基本設計、年内にもプロポ公告

2024年11月22日 工事・計画 [10面]

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 奈良市は富雄丸山古墳近くに建設を計画している「(仮称)奈良市文化財センター」の基本設計を委託するため、年内にも公募型プロポーザルの手続きを開始する。同古墳からは東アジア最大の蛇行剣や銅鏡などが出土しており、文化遺産の「発見」「継承」「発信」の拠点を目指す。2024年度内に委託先を選定する予定だ。同業務には基本計画の作成も含まれ、運営計画や事業手法も検討する見通しだ。
 基本構想によると、建設地は丸山1ほかの富雄丸山古墳隣接地。第二阪奈道路の出入り口に近く、30日にオープンする道の駅「クロスウェイなかまち」が立地する。敷地は7000平方メートル以上、建物の規模は3階建て延べ6000平方メートル以上を想定している。
 国内外の研究機関や大学と連携し、最先端技術を用いた調査研究拠点を目指すとともに、国宝や重要文化財の保存・保管、史料のデジタルアーカイブ化に取り組む。富雄丸山古墳から出土した蛇行剣や盾形銅鏡などのほか、平城京を中心とした奈良市の歴史を学べる展示を行う。一部の出土品は「見せる収蔵庫」での展示を目指す。
 交流・体験機能では実物の鑑賞やレプリカに触れてもらうほか、文化財の情報を発信するスペースを設ける。交流の場で文化財の重要性を啓発する。
 このほか、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)での発掘調査体験、土器づくりなど古代の技術を体験してもらう。
 建物の外観は周辺環境に配慮しつつ、維持管理しやすいシンプルなデザインを採用する。浸水対策として2階以上に展示室や収蔵庫を配置する。RC造を基本に、文化財公開施設や博物館にふさわしい構造にする。
 今後、用地測量や地質調査などを進めるとともに、官民連携手法の導入可能性調査を行い、事業手法を決める。実施設計は別途委託する予定。26年度の着工を目指す。