大手私鉄を経て2022年に三菱地所に入社した。前職では新規事業の立ち上げを長く担当。経験を生かし現在は、産官学街連携で事業創出を目指す「Tokyo Marunouchi Innovation Platform(TMIP)」を運営している。新規事業に挑戦する人を「孤軍奮闘させないよう、有機的なつながりづくりに尽力したい」と力を込める。
前職では鉄道アセットを活用した、子育て支援施設の開設などに取り組んだ。ただ前例のない事業は完全に手探りの状態。「悩みを相談したり協力したりできる、横のつながりが大事だ」との思いを強くした。
経験を踏まえTMIPでは「伴走支援」の形で、企業の新規事業を後押ししている。知見や課題を共有できる環境を整え、アドバイスも行う。熱意を持続してもらうため表彰制度「TMIPイノベーションアワード」も創設した。
新規事業が生まれ続ける環境は、エリアの価値を高め、本業の不動産事業にも還元される。「『働くこと』にまつわるさまざまな課題を、多様なプレーヤーを巻き込んで解決したい」という思いを秘めている。
私生活では3児の母。過去に産前産後・育児休業を取得した。出産・育児以外にも介護など、働く人が抱える事情はさまざまだ。「孤軍奮闘させない」をモットーに、「今度は自分が回りをサポートしていきたい」と意気込む。
(おおふち・あゆり)