日本埋立浚渫協会(埋浚協、清水琢三会長)は作業船の自動・自律化に向けた実証実験の実施や、時間外労働上限規制への対応など、今後の取り組み方針をまとめた。10月から11月にかけて全国10地区で実施した国土交通省地方整備局らとの意見交換会の結果を踏まえ、生産性向上や働き方改革などに資する取り組みを一段と強化させる。
埋浚協は作業船の自動化・自律化に関する技術を24、25年度で開発し、25年度に実証実験を始める。26、27年度にモデル工事での施工を経て、28年度から標準化というスケジュールを意見交換会で示した。地方整備局らに対して教師データの蓄積などを目的に、実証実験を行う機会の提供を要望した。
埋浚協は意見交換会で、作業船自動化の実証実験の様子を動画で説明。「海洋土木工事において自動化が夢物語ではないことを認識してもらえた」(埋浚協)との手応えを感じており、25年度以降の実証実験では標準化に向けて安全性の確認、BIM/CIM3Dデータとの連携の検討などを進めるとした。
時間外労働の上限規制への対応では、作業所から現場まで交通船などによる移動時間が負担になっている問題について引き続き調査を行う。生コンクリート協同組合やクレーン会社といった関連産業の時間外労働の上限規制順守の影響については関連産業との調整を図りつつ、受発注者双方での共有に努めるとした。
時間外労働の削減に効果が高いとされる「休日確保評価型試行工事」や、荒天による作業休止などで施工に必要な期間が確保できなくなった場合、必要に応じて工期を延ばして休日確保を優先する「荒天リスク精算型工事」でさらなる適用拡大を発注者に働き掛ける。